ジブン×ジンブン再々始動!! / メンバーのご挨拶&おすすめ本紹介⑫【板橋編】

お久しぶりです。暑い日が続きますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

唐突ですが、今年の駒場祭も

「ジブン×ジンブン」の開催が決定しました!

新メンバーを仲間に加えて鋭意準備中!詳細は乞うご期待!なのですが、実は五月祭に参加していたメンバーの中でまだ自己紹介が済んでいないメンバーがいたのでこれから自己紹介していきます!



PDPicsによるPixabayからの画像


はじめまして。「ジブン×ジンブン」五月祭から参加しています修士一年の板橋です。所属サークルの先輩だった木村さんに「言語学」方面の要員として誘われてほいほい付いてきてしまいました。


なにをしているのかちょっとだけ紹介


所属は情報理工学系研究科電子情報学専攻です。

どう見ても文系じゃないですね。理系ですね。

ジブン×ジンブン発起人の原田さんと同じく「がっつり理系」です。何なら卒論テーマも人文学全く関係ないので、参加メンバーの中では人文学から最も遠い存在かもしれないですね。「大学で行われる人文学の研究」の外側にいる人間です。

ちなみに私の専門は「」です。言語関係ないです。

よくわかりませんね。ちゃんと言うと、「データの幾何学(トポロジー)的な『穴』の情報を利用して様々な現象を解析する」です。実は、(数学的にいろいろ頑張ると)あらゆるものの「」という側面だけを見ることができるんですね。また、誤解を恐れずに言えば将来AI(人工知能)に役立つ(かもしれない)情報工学の研究ともいえます。ちなみに現在は幾何学+言語学の研究をしようと目論んでいます。学際的な感じで。前途多難ですが。


Gerd AltmannによるPixabayからの画像

人文学的には、普段は言語のことについて考えています。音韻論(音声を研究する分野)から形態論(語の成り立ちを研究する分野)、統語論(単語の並べ方を研究する分野)、意味論・語用論(文章・文脈の意味を研究する分野)まで幅広く「言語」を嗜んでいます。

そもそも何故言語学に嵌ってしまったのかというと、英語が嫌いだったからです。

というのも、「英語ができる人が偉い」、「英語ができる教師は偉い」、「英語できないのは恥ずかしい」といった空気を中学や高校の授業で感じていました(もちろん全員がそうというわけではないですし、真摯に教えてくださった先生も数多くいます)。それでいて英語っぽい発音をしようものなら「ネイティブの真似しててダサい」みたいな目で見られるわけです。「英語ができないとグローバル化する社会ではやっていけない」などと言われ、英語の神格化が行われているように思います。最近だと2020年度の大学入試から、英検などの外部試験を利用した英語4技能入試を導入する、なんて話も出ています。まあ端的に言ってムカつくんですよね(笑)ここは日本だぞ、と。(とはいえ、英語の重要性は十分理解しているつもりです。英語が読めるというだけで、アクセスできる情報量が圧倒的に増える。なので英語は出来るに越したことはない、と思います。)

また、語学というのはやたら理不尽が多いんですよね。be動詞は主語によって形が変化するし、三人称単数現在動詞はsつけなきゃいけないし、母音を綴り字通りに読まない(nameはナーメと読まずにネームと読む、oneのどこに/w/の要素があるのだろうか…)し、日本語と語順全然違うし。わけがわからない。

でも、言語学というものさしを手に入れると、理不尽の理由というものが多少見えてきます。例えば、もともと英語のあらゆる動詞が主語によって変化しており、現代ではbe動詞と 三単現のsだけが残って他は消えた、ということであったり、母音に関してはは15世紀から17世紀ごろに大母音推移というのが起こったりしています。それっぽい理由を知ればなんとなく納得できる気がしませんか?(理系だからそう思うのでしょうか)

さらに音韻論や音声学を勉強すると、発音について正しい知識を得ることができます。vもthも噛んで発音するものではないし、lとrとラ行子音は全部違う音です。理論的な裏付けがあると、周りにバカにされようが笑われようが正しいプロセスで語学習得しているんだ、という自信にも繋がります。



僕は理系なので少しだけ理系、もとい情報工学と人文学との繋がりの話をしようかなと思います。

情報工学的に言語を扱う分野には、例えば音響音声学自然言語処理などがあります。

音響音声学とは、人間がどういう風に発音するのかを調べる音声学の一分野で、音韻論と密接な関わりがあります。Siriなどの音声認識や、コンピュータによって人間の声に近い声を合成する音声合成などに応用されます。

自然言語処理とは、コンピュータが形態素解析、構文解析をする分野で、チョムスキーの生成文法という考え方に強く影響されています。最近は統計学を使うことが多く、コーパス言語学のように大量の文章を統計処理することで言語の仕組みを探る、といったことが盛んです。自然言語処理は、私たちがネットで検索をする時にも使われていたり、Google翻訳などの自動翻訳、機械翻訳などに応用されています。また、文章の要約を自動で行ったり、自然な会話をコンピュータとできるようにする、といった研究も進められています。



以前の記事でも言及されていますが、人文学は必ずしも人文学の中で完結するものではないと思っています。人文学の外の領域、社会科学や自然科学とも密接に関係しています。

ちなみに工学には数学、自然科学(物理、化学など)の知識を使って人々の生活を豊かにする、という大きな目標があります。情報工学なら数学、物理に加えてIT関係の技術を使って、といったところでしょうか。いずれにせよ人が使うものを作るので、例えば心理学的にこのデザインは使いやすいか?などを考えることもあります。最終的な到達地点は人間なのです。工学をやる上で、人間に関する研究、つまり人文学を無視することはできないと考えています。日本語を対象にした情報工学の研究の中には、もっと人文学に目を向けたらいい研究になりそうなのにな、と感じるものも多々あります。

とまあ偉そうなことを言っておりますが、理想を語るのは簡単で、じゃあやってみろと言われるとなかなかできないところが難しいところですね。何でもそうですが。(言語学が専門の方(もちろんそれ以外の方も)、何なら私たちと共に活動しませんか?いつでもお待ちしていますよ!)


好きなこと


語学愛好会というサークルで言語に関する記事を集めた合同誌を出しています。 また、自然言語(日本語などの普通の言語)から人工言語(エスペラントが有名)まで、いろんな言語を広く浅く学ぶのが好きですね。最近は中国語、アイヌ語、キリバス語がホットです。ちなみにキリバスとは太平洋に浮かぶ島国で、世界第3位の排他的経済水域を有し、元々は日付変更線を国土が跨いでいたのをわざわざ歪な形にして国内の日付を揃えた結果、世界で最も早く新年を迎える国として地図帳において圧倒的存在感を誇る超有名な国だと思っていたのですが、僕が「キリバス語やってます!」と言おうものなら殆どの人に「は?」ていう顔をされるのであまり知名度高くないらしいです。悲しい。

おすすめの本


・『日本語(上)(下)』(金田一春彦著、岩波新書)
発音、語彙、表記、文法といった様々な視点から日本語を分析した本。まず「日本語は特殊か」という問いから始まります。よく「日本語はSOVだから珍しい」とか「音節が母音で終わる(開音節)から珍しい」とか「敬語があるから〜」などと言われますが、言語の半分くらいはSOV語順ですし、開音節言語は太平洋に山ほどあるし、韓国語やジャワ語は敬語体系が発達しているんですよね。一方で漢字、平仮名、片仮名の3種類の文字体系を使う言語は珍しいと言って差し支えないかもしれない。この本では、他言語と比較して日本語を相対化する意義を説いて、本文に入ります。ただし書かれたのが何十年も前なので扱われている「日本語」が古い。学説が微妙に古い。しかしそれでも言語学の基本的な考え方を学ぶ上では良書だと思います。



「ジブン×ジンブン」画ID:356
第70回駒場祭にて開催
東京大学駒場キャンパス(東京都目黒区 京王井の頭線・駒場東大前駅東口よりすぐ)
交通アクセス・キャンパスマップはこちら
会場:東京大学駒場キャンパス(教室は追ってお知らせします)
日時:2019年11月22日(金)~11月24日(日)
入場料:無料(任意カンパ制)

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