メンバーのご挨拶&おすすめ本紹介⑦【長戸編】

自己紹介はまだ終わっていない!






突然はじめまして、メンバーの自己語り記事もかなりアップされ、全メンバーが出尽くしたと思われているみなさん、もう一人いました。

運営メンバーの最後が1人、僕の名前は長戸光(ながとひかる)です。10月になってようやく引き込まれたがために、自己紹介が大変遅れてしまいました。以後、なにとぞお見知り置きを!よろしくお願いします!(運営メンバーはもう増えません、不意打ちの自己紹介も多分?これでおしまいと思われます)


ところで、去年の3月から6月にかけて、スウェーデンのストックホルム大学に交換留学していました。最初の写真は、スウェーデンのゴットランドと呼ばれる島(魔女と宅急便の街風景のモデルになったところ!)で撮影したものです。エモすぎません?

何をしているかちょっとだけ紹介


さて、ここから本題です。僕は「東京大学大学院教育学研究科基礎教育学コース」の修士課程1年目に所属しています。学部時代も、教育学部基礎教育学コースに所属していました。
よく「基礎教育学コースって何してるの?」とよく聞かれます。いつも説明に苦労するのですが、このジブン×ジンブンの企画と大いに関係があります。基礎教育学コースの公式の説明を引用しましょう。

基礎教育学コースは,名前のとおり,教育研究の最も基礎的な部分を担当する専修/コースであり,広く「人文学的」と呼ばれるような方法で教育という対象にアプローチすることをねらいとしています。(http://www.p.u-tokyo.ac.jp/gs/c1

おわかりいただけただろうか。大いに関係するどころではない、ドンピシャなのです。しかし、「教育を人文学的にやっているところだよ」というのは実際ちゃんとした説明にはなっていませんよね。人文学は、他のメンバーがそれぞれ記事に書いているように、非常に広大な拡がりを持っていますから。
基礎教育学コースが公式に掲げている「人文学的方法」は4つあります。
①哲学的 ②歴史的 ③人間学的 ④臨床哲学的 (上記サイト参照)
「要するに教育哲学と教育史の2つを主にやっているのね」、と思われる方がいらっしゃると思います。
しかし、僕には、そのように分けることはやや不適切なのではないかと思われます。というのは、基礎教育学コースの多くの学生は、共通してこのように考えているからです。

「いい教育とは何か?今の教育はこれでいいのだろうか?そもそも教育とは何か?……」

つまり、現行の教育を反省し、よりよい教育を志向しようという点では、教育哲学も教育史も変わりはないのです。というより、どの教育の研究者でも、人文学/ 社会科学を問わず、多かれ少なかれこのような問いを抱いている人は多いのではないかと思われます。しかしながらあえて、僕の所属している基礎教育学コースの人文学的教育学を、社会科学的な教育学に対して自己定位しようと試みましょう。

「過去の様々な人が残したテクスト(文章)に徹底的にダイブして、彼らとテクストの上で対話をしながら」教育を反省する学問。僕はそう捉えます。(方法論的には統計分析とかは特にしません。)

しかし、話はまだ終わりません。「教育を反省する」としたとき、教育とはそもそも何か、ということを必然的に考えざるを得ないからです。

教育というのは学校教育に限られるものではありません。多くの人は学校教師にはならないでしょう。ですが、会社や家庭、サークル、部活などを思い浮かべましょう。そう、人と人が関わりあうところには、教育はひょんと顔を出してくるのです。そうすると、学校とは、教育をより集中的に取り扱う特殊な場所なのだと考えることができるでしょう。

「教育とは何か?」という問いを突き進めて行くと、教育の営みを広く考えることが避けられなくなるでしょう。こうしたとき、「人間とは何か?」「人が関わりあうとはどういうことか?」と、必ずしも教育に還元されない大きな問いも生まれてくるでしょう。

こうして、必ずしも教育そのものを考えなかった哲学者もまた、研究の対象に含まれることとなります。また、ある教育実践家を研究対象とするとき、「この人は教育というものをどのように考えていたのだろうか?」という問いを発すれば、それは、その教育実践家自身の思想・哲学を解き明かそうと試みることに他ならないのです。教育という営みの切り取り次第で、人文学的教育学は様々な形をとるでしょう。


僕の指導教官の本。ある哲学者から教育への示唆を引き出すという、教育哲学の代表スタイル。


ここまで読んでいただいたみなさんには、人文学的教育学はどうもフワフワしているなと思われた方もいるでしょう。それは当然なのです。決まり切った方法論(例えば、学力テストの点数が高くなるような教育を構築する)だけでは教育という営みの多様な側面を捉えきれないからこそ、各人が抱いた問いに即した適切な方法を編み出して、柔軟に自由に、教育を反省するのですから。

ですから、人文学的教育学が成功したかどうかは、それぞれの研究者がどのようなプロセスをたどってどんな結論にたどり着いたのか、そこにすべてがかかっています。はじめからは研究の良し悪しは絶対にわかりません。それを読んで、あなたの教育についての考え方が広がるような、ハッとさせられるような、そんな「新しい価値」を見出すことができるかどうか、そうした研究が良い研究と言えましょう

(当たり前ですが、そうした試みが失敗に終わってしまうケースも少なくありません。ですが、それは自然科学も変わりはありません。絶対に成果が保証される方法論など、あるはずがないのです。)



おおおお!教育学×人文学の話をしていたらいつの間にかこんな文字数(2000字超え)になってしまった!肝心の僕の自己紹介ができていないではないか(爆)!ブログは、基本的に長くなってしまえば読んでもらえないのが世の常です、、、

僕の本当の自己紹介、つまり、僕のやっている研究については、また近日中に別記事で詳しく書かせていただきますが、分野名で言えば「エピステモロジーépistémologie」と呼ばれる対象領域を研究しています。誤解を招きやすいですが、敢えて日本語訳をすれば、「科学認識論」となります。これは主にフランスで発達した科学史—科学哲学研究であり、科学(特に自然科学)の知、科学における様々な概念がどのように形成されてきたのかを内在的にたどる分野であります。有名な論者としては、バシュラール、カンギレーム、フーコー、セールなどがいます。

教育を研究しているのに、なんで科学史なんてやってるの?あとなんで教育を研究しているの?こういう疑問も含めて、次回の記事で書ければなと思います。

僕の卒業論文。一見全く教育してなさそうな論文ですが、
実は、教育に対する切実な思いが込められているのです。

好きなこと

学部時代はJazz Junk Workshopというジャズのビッグバンドサークルでドラムを3年間やっていました。音楽が大好きです。つい先週、Roy Hargroveという偉大なジャズトランペッターが亡くなりました。彼の偉大な、涙が出る演奏をBGMにしながら残りを読んでくださいませ。

あと、今年に入ってから囲碁を始めました!現在3級間近でして、これは年明けには初段になれるのではないかとワクワクしています!
あと、推理モノが好き!小学生の頃は『金田一少年の事件簿』を愛読し、大学生になってからも長期休みには必ず推理小説読書期間を設けています。今年の夏はアガサ・クリスティーを3冊(内2冊は英語で!)、横溝正史を3冊、綾辻行人を2冊よみました!


おすすめの本

本紹介コーナーが当日の企画に据え置かれるので、ここでは代わりにマンガを紹介しましょう。
上記二つの選択理由は、人間の生の根源にせまった作品だからです。後世に記憶されなければならない「文学」でしょう。僕が教育を研究する時の人間観は種々のマンガによって構成されました。ぜひ手をとってみてください。ちなみにデビルマンは今年に入って、Netflixでリメイクアニメが作られました。衝撃の完成度です。


それではまた、お会いしましょう!長戸がお送りしました!


「ジブン×ジンブン」企画ID:386
第69期駒場祭にて開催東京大学駒場キャンパス(東京都目黒区 京王井の頭線・駒場東大前駅東口よりすぐ)
会場:1号館1階 112教室


0 件のコメント :

コメントを投稿